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工場や建設現場などの各種設備には、機械や装置を安定して支えるための“固定アーム”部品が欠かせません。金属製のアーム部品は、重量物を安全に支えたり、周辺機器の位置を正確に固定する役割を担うため、設計や加工の段階から剛性・強度・耐久性・耐環境性などが厳しく求められます。
アーム調達事例

サイズ:縦1280mm、φ60
材質 :SS400
特徴 :コストダウン
アームの役割
加工装置や設備を“しっかり支える”
固定アーム部品は、産業用設備の一部として機械装置や各種ユニットを支える重要な役割を担います。振動や衝撃を受ける場面だけでなく、長期間にわたる静的荷重に耐えながら、機器の位置ズレを防止し続ける“縁の下の力持ち”的存在です。
荷重・環境条件への対応
アームには設置場所や使用環境、支える対象の重量・大きさに応じた強度が必要です。
- 屋内設備:粉塵や湿度、作業時の衝撃や振動への対策
- 屋外設備:降雨・紫外線・温度変化への対応や、さらに塩害地域なら耐食性の配慮
こうした諸条件をクリアすることで、設備全体の安全と安定稼働を確保することができます。
固定アームの用途
コンベヤラインの支柱アーム
製造現場での搬送コンベヤを支えるアーム。絶えず動くベルトやローラーの振動に耐えつつ、確実に位置を維持する強度と精度が求められます。
機械装置のセンサーブラケット
装置内部や外部に取り付けられたセンサーを固定するアーム。微妙な振動や衝撃からセンサーを保護し、測定誤差を生じさせない剛性を確保することが鍵です。
屋外看板・案内板の取付アーム
風雨や紫外線にさらされるため、亜鉛メッキや防錆塗装が徹底されます。大型看板を高所に取り付ける際の作業性も考慮し、適切な形状と取付金具を設計します。
固定アームに使われる主な素材
炭素鋼(SS400, S45Cなど)
コストパフォーマンスが高く、溶接や機械加工も比較的容易なため、固定アームにはもっとも一般的に使用される材料です。部品の形状や荷重条件によっては、局部的に厚板を採用して剛性を高めるケースもあります。
合金鋼(SCM・SNCMなど)
より大きな荷重や衝撃が予想される場合には、合金鋼が検討されます。熱処理によって高い強度と靱性を実現できるため、重量物を支えるアーム部品を軽量化することも可能です。ただし、溶接や加工難易度が上がり、コスト面への影響もあるため、事前の強度シミュレーションと費用対効果の検討が重要です。
ステンレス鋼(SUS304, SUS316など)
錆の発生を避けたい環境や、美観が重視される設備で採用されます。屋外や食品・医療関連の設備に適していますが、鋼材に比べて加工硬化しやすく、溶接歪みも出やすいため、溶接技術や後工程の処理に注意が必要です。
アルミ合金(A5052, A6061など)
軽量化や装置全体の省エネルギーを狙う場合に選択されることがあります。防錆性に優れ、加工もしやすい一方で、鋼に比べて剛性が低いため、板厚やリブ配置を工夫しなければ所定の強度を出しにくい面があります。
アーム加工における設計
荷重条件と応力解析
固定アームには、静的荷重だけでなく振動や衝撃が加わる場合もあります。設計段階で有限要素解析(FEA)などを活用し、アーム全体の応力分布や変形量を把握することが有効です。
- 応力が集中する部位には補強リブを追加
- 必要に応じて肉厚を増やす
- ボルト接合部や溶接部の応力値を詳細に検討
取付方法の考慮
固定アームの取付方法としては、溶接による一体化と、ボルト締結による着脱型が主流です。一体化のほうが剛性を高めやすい反面、分解やメンテナンスが難しくなる場合があります。一方、ボルト締結では適切な締付トルクや強度区分を選んで緩み止めの対策を施し、長期にわたって安定した保持力を維持する設計が重要です。
可動部と干渉の有無
「固定アーム」とはいえ、設備全体のどこかには動作部が連結している場合があります。隣接部品や配線・配管との干渉を防ぎつつ、十分なクリアランスを確保する必要があり、そのうえでアームが設備にしっかりと固定される形状を練り込むことが求められます。
アームの塗装・表面処理と防錆対策
塗装
屋内用でも錆の発生を防ぐために塗装が施されることが多く、屋外や湿度の高い現場で使用される場合粉体塗装(パウダーコーティング)や耐候性塗料を選ぶことで、防錆性と耐久性を大幅に向上させられます。色指定やロゴ印刷にも対応しやすいため、設備外観に合わせたデザイン性も実現可能です。
メッキ・表面改質
亜鉛メッキ(溶融亜鉛メッキ・電気亜鉛メッキ)は、非常に強い防錆効果を発揮するため、屋外や塩害地域で特に威力を発揮します。また、アルミ合金ではアルマイト処理を行うことで、表面硬度と耐食性を向上することができます。
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